どうぶつの森 ポケットキャンプ

どうぶつの森を始めておよそ3日が経った。ほのぼのとした雰囲気に癒されながらも、私は違和感を覚えていた。

今作のどうぶつたちは「こんなオイラのために〜」のようなセリフが目立つ。彼らは友好的で感謝を忘れず、明るく振る舞っているが、そんな中にどこか自己否定的なニュアンスがある。

彼らは物を貰い慣れていない。『欲しいもの』を突然手渡されると、とても驚いたような動作をする。果物1つに対して、通常の買取価格の10倍近い金額とお礼の品をくれる。たった2回『欲しいもの』をあげるだけで、"仲良し度"が上がる、すなわち心の壁が一つ取り払われる。

彼らはコミュニケーションを得意としていない。世間話をしようというと、主人公を褒めるか、プレゼントをくれるか、「しずえのチャレンジがあるよ」と教えてくれるだけだ。話題を1つ話し終えてもう一度話しかけると「ごめんなさい、経験不足で、話せることがないんです」なんて言うどうぶつもいる。自分のキャンプに招いた"仲良し"のどうぶつですら、2度目は世間話をしてくれない。

 

果物1つに対して多すぎるほどのお礼、世間話ができない、1人で"旅"をしているという共通点。そんな彼らの「○○(主人公)のおかげで楽しい」というセリフからは、すなわちこれまでは楽しくなかったのでは?と推測させられる。

彼らはきっと優しすぎたのだ。しかし"どうぶつ"である彼らは、誰からも優しくされなかった。彼らにとって冷たい社会は厳しすぎるものだった。彼らは逃げるように、たった1人で"旅"に出た。まともなキャンプも設営できなければ、虫捕りや釣りや果物を入手する技術もないままで、それでも彼らは旅をして、そして『主人公』に出会った──

それは主人公も同じだった。優しい心を持ちながら、優しい仲間には出会えずに、まともなコミュニケーションを取ることができずに、苦しんで、旅に出た。「世間話をしよう」なんて、口下手だ。「欲しいものある?」って、ぶっきらぼうに訊く。自分と同じか、あるいは自分より弱い立場のどうぶつたちに向けて、ぎこちない優しさを投げかける。それがたとえ人間のエゴだとしても、過ごしやすいキャンプを黙々と作って、どうぶつたちを誘うのだ。

「キャンプにおいでよ!」