ポエム:必要なもの

恋人がいないクリスマスは特別な日でも何でもない。チューハイの空き缶が散乱している一人暮らしの部屋で、ただ1日を過ごすだけだ。けれど街は否が応でも特別になって、いつもより笑顔が増える。それが長く続かないと分かっていても、どうしたって人々は割り増しで幸せそうにしている。

じゃあなんだ、俺もどこかへ出かけてみようかなんて、繁華街は人で溢れているから、山奥へ行って星でも見ようかって、ちょっと特別な日を過ごそうと考える。

同時に、そうやって孤独を満喫したところで、家で寝て過ごすのと変わらない現実がある。クリスマスに1人で山へ向かうような面白人間は、この世界の誰も知られない。多分それを孤独というんだろうけど。

本当は一緒に過ごしたかった誰かを想って、魅力を持って生まれなかった自分を呪って、虚無感と閉塞感で吐きそうになる。『寒いね』って呟いて、冬の冷気だけが『そうだよ』って答える。心を吹き抜ける風と、宙を舞う風の温度が同じで、おまえも孤独なんだなって、地球に話しかけるようなクリスマスを、まあいいやって笑える強さ