『雑踏』って何?

 

雑踏《名・ス自》多人数でこみあっていること。人ごみ。

 

調べてみて、ああなるほど、と思った。何となく好きな響きだったのに、今の今まで正しい意味を把握してませんでした。小説を読んでいると割とよく出てくる単語だと思いますが、『灰色のビル、削れた横断歩道、汚れた歩道のタイル、非常階段を鳴らす靴の音、孤独』みたいな空気を想像していました。あながち間違ってはいなかった気がしますね。

雑踏の中に消えた。と言うと、どこか寂しい背中を想像します。人がこみあっているからこそ、対照的に孤独を感じる、といったところでしょうか。人々がアスファルトを踏み鳴らす音を『雑』と括っているのも、無味乾燥なイメージを強めています。人がたくさんいても、誰とも何の関係もなく、その音は雑音でしかない。私です。なんだかなぁ。私じゃん。

 

やっぱりね、ひとりぼっちで寂しいんですよ。だから『雑踏』みたいな冷たい言葉に惹かれる。そう言うと、私は雑踏の中に消えていきました。さようなら。